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皆さんこんにちは!
有限会社お茶の山佐園の更新担当の中西です!
山佐園の茶話~part20~
同じお茶でもお湯の温度・時間・茶葉量で味は劇的に変わります。ここでは、家庭で再現しやすいレシピと、品種・蒸し加減の相性、冷茶&氷出しまでを一気に解説。保存と水のコツもまとめました。
目次
急須(細かい網がベター)・湯冷まし・湯呑み
お湯は一度沸騰→湯冷ましで温度調整。
カップを温めておくと香りが立ちます。
できれば軟水が相性◎(ミネラルの強い硬水は渋みが出やすい)
(茶葉量は1人分目安。お好みで微調整してください)
煎茶(浅蒸し):茶葉2–3g / お湯100ml / 70℃ / 60–90秒
→ うま味と清涼感のバランス。
煎茶(深蒸し):2–3g / 100ml / 65–75℃ / 30–45秒
→ 微粉が多いので短時間でやさしく注ぐ。
かぶせ茶:3g / 80–100ml / 60–70℃ / 60–90秒
→ まろやか。2煎目は少し熱めで短時間。
玉露:3g / 30–40ml / 50–60℃ / 90–120秒
→ とろりとした旨味。少量高濃度で楽しむ贅沢
ほうじ茶:2–3g / 130–150ml / 90–100℃ / 30–60秒
→ 香ばしさは高温×短時間で。
玄米茶:3g / 120ml / 80–90℃ / 30–60秒
二煎目のコツ:温度を10℃上げて時間は半分。香りがふわっと開きます。
やぶきた:万能。70℃前後で甘渋バランス。
さえみどり/あさつゆ:旨味系。**60–70℃**の低温が映える。
おくみどり:香り穏やか、深蒸し短時間がきれい。
在来・香気系:やや高温で立ち香を楽しむ。
水出し:茶葉10–15g/1Lを冷蔵庫で4–6時間。苦渋み少なめ、甘みすっきり。
氷出し:急須にたっぷりの氷+茶葉、ゆっくり溶けるのを待って少量ずつ。とろ甘の特別な一杯。
急冷:70℃で短時間抽出→グラスに氷へ直接注いで急冷。香り華やか✨
お湯が熱すぎて渋い → 湯冷ましを一回多く通す。
味が薄い → 茶葉を気持ち多めに、時間は変えずに。
粉っぽい(深蒸し)→ 短時間&静かに注ぐ。
2煎目が冴えない → 抽出後の茶葉を開けっ放しにしない(乾かさない)。
光・酸素・湿気・温度を避ける。
開封後は小分け&チャックをしっかり。
長期保管は未開封を冷凍→使用分だけ冷蔵/常温。出すときは結露対策で常温に戻してから開封。
煎茶 × 和菓子・塩むすび
深蒸し × 揚げ物・サンド
かぶせ/玉露 × チーズ・ナッツ(少量で)
ほうじ茶 × 焼菓子・チョコ・和スパイス料理
週末は品種違い飲み比べセットで小さなテイスティング会
平日は水出しボトルでデスクに常備。
季節の便りに合わせてレシピカードを入れ替えると続きます。
皆さんこんにちは!
有限会社お茶の山佐園の更新担当の中西です!
山佐園の茶話~part19~
お茶は“畑の香り”をそのまま飲み物にしたもの。だからこそ、畑→摘採→製茶→仕上げの全部で香りが育ちます。この記事では、農家の一年を月ごとの段取りでたどりながら、現場で効くコツをまとめました。️
目次
整枝・剪定:翌春の芽数と摘みやすさを決める大事な工程。畝ごとに“高さ基準”を写真で固定
施肥(基肥):ゆっくり効くものを中心に。施肥量は前年収量・葉色・土壌データで見直し。
排水路・風対策:豪雨と強風は“香りの敵”。溝さらい、支柱、畝肩の補修を冬のうちに。
土壌チェック:pH・EC・有機物。お茶は酸性寄りが得意。データはロット名で保存
防霜ファン/散水/不織布の準備✅
萌芽確認:畝ごとに発芽ステージを見まわり、被覆(かぶせ)開始の合図に。
かぶせ茶/玉露の被覆:遮光で旨味(アミノ酸系)が育つ。
かぶせ茶:目安1〜3週間
玉露:目安3週間以上
被覆開始・終了日は必ず記録
摘採適期:基本は一心二葉〜三葉。**雨後は含水率↑**なので無理をしない。
生葉の扱い:圃場から速やかに工場へ。搬入票に時間・畝・被覆有無を記録。
製茶フロー(荒茶):
蒸し(浅蒸し/深蒸し)→ 2) 粗揉 → 3) 揉捻 → 4) 中揉 → 5) 精揉 → 6) 乾燥
深蒸しは粉化しやすい分、抽出は短めを想定。
歩留まりの目安:生葉4〜5kg → 荒茶1kg。受入ロットごとに記録し、畝別の改善に。
官能チェック:立ち香・滋味・後口。**“香りノート”**を作ると翌年が楽に
二番茶:品質重視なら刈遅れ回避。一番茶後のお礼肥で樹を休ませつつ回復。
病害虫の見回り:チャノコカクモンハマキ・ハダニ・カイガラムシなどは畝端・日当たり端から出やすい。
IPM(総合防除):被害葉の早期除去・捕殺・草生管理で圃場のバランスを保つ。
草管理:足元の通風と作業性が香りを守る。猛暑時は早朝・夕方作業で安全第一
仕上げ:荒茶の選別・整形で外観を整える。
合組(ブレンド):畝・時期違いを組み合わせ、香味の再現性を作る職人仕事。
火入れ:低温〜中温で水分・香りのチューニング。焙香は行き過ぎ注意、メモと小試験で詰める。
保存:遮光・低温・低湿・脱酸素。開封後は小分けが鉄則
収量(kg/10a)・荒茶歩留まり(%)
水分・葉温・被覆日数・摘採日
官能点(香・旨・渋・後口)
クレーム/返品ゼロ日数・EC/店頭のリピート率
→ 畝×時期×被覆で並べると改善点が見える
摘採が遅れて渋味増 → 畝別カレンダー+“試し摘み”で前倒し。
深蒸しで粉っぽい → 造粒の工夫/ふるい直し+抽出推奨レシピを同梱。
火入れムラ → 小ロット試験→官能記録→温度再設定。一度に結論を出さない。
皆さんこんにちは!
有限会社お茶の山佐園の更新担当の中西です!
山佐園の茶話~part18~
日本の茶文化は長い歴史を持ち、今なお私たちの暮らしに根付いています。その背景には、四季折々の自然と向き合いながら、丁寧に茶葉を育ててきたお茶農家の存在があります。しかし、彼らの果たしている役割は「茶を育てる」だけではありません。お茶農家は、地域経済を支え、雇用を創出し、地域ブランドを形作る「経済的プレイヤー」としての顔も持っているのです。
目次
お茶の生産は、農村部において重要な基幹産業の一つです。とくに静岡、鹿児島、京都、三重などでは、茶業が地域経済の中核を担っており、生産・加工・流通・販売に関わる産業全体が一つの経済圏を形成しています。
年間収入の柱となる生産農家の存在
加工場や機械メーカー、資材業者などの関連産業への波及
地域自治体の税収・補助金活用にも寄与
このように、お茶農家は一地域の「経済基盤」の一部を形成する不可欠な存在です。
お茶農家では、収穫期や加工期に多くの人手が必要とされるため、地域におけるパート雇用・短期就労の機会を生み出しています。高齢者や主婦層、学生など、多様な層が関わることができ、地域の生活と経済に潤いを与えています。
また、6次産業化を進める農家では、製造・販売スタッフ、観光ガイド、カフェ運営など、農業以外の職域も生まれており、地元の若者や移住者の雇用の場としても注目されています。
地域独自の気候や品種、製法を活かした「ブランド茶」の存在は、地域の経済力を高める武器になります。
宇治茶、八女茶、知覧茶、狭山茶などのブランドが高価格帯を維持
高品質・無農薬・オーガニックなどの付加価値が、国内外市場で評価
観光商品(お土産・体験・カフェ)としての経済波及効果
こうしたブランド力は、観光客誘致や移住促進にもつながり、経済的効果はお茶農家にとどまらず、地域全体に波及します。
日本茶の輸出量は近年増加傾向にあり、特に北米・欧州・アジアで健康志向の高まりとともに需要が拡大しています。
抹茶やほうじ茶が人気商品に
輸出による外貨獲得と農家の収益多様化
輸出に適した生産体制整備や認証取得が新たな経済活動を喚起
このようなグローバル展開も、お茶農家の経済的役割を国際レベルで拡張しています。
お茶農家は単なる生産者ではなく、「地域を再生させる主体」としての可能性を秘めています。茶畑を中心としたエコツーリズム、里山保全活動、福祉連携など、社会的意義と経済的価値の両立が実現可能な分野として注目されつつあります。
茶農家×観光=持続可能な観光経済
茶農家×福祉=地域福祉の新しいモデル
茶農家×教育=地域学習の場としての茶畑
私たちが日々楽しむ一杯のお茶。その背後には、お茶農家の労働と工夫、そして地域経済を支える静かで確かな営みがあります。
お茶農家の経済的役割は、「地方創生」のキーワードそのものです。今こそ、農業を支える視点から、地域経済を見直すことが求められているのかもしれません。
皆さんこんにちは!
有限会社お茶の山佐園の更新担当の中西です!
山佐園の茶話~part17~
ということで、お茶農家における「多様化」の現在と可能性を、事例とともに深く探ります。
かつて「お茶農家」といえば、収穫から加工・販売までを一貫して行う専業農家が中心でした。しかし今、その姿は大きく変わりつつあります。気候変動、消費者の嗜好変化、流通の変化など、さまざまな要因に対応するため、お茶農家は生産のみにとどまらず、多様な形で事業の幅を広げ始めています。
目次
少子高齢化や茶の消費量減少を背景に、お茶農家の多くが「茶以外の作物栽培」や「茶加工品開発」に取り組んでいます。
例:柚子や梅などの果樹栽培との兼業
同じ山間地で育つ作物を組み合わせることで、季節ごとの収益バランスを取る工夫が見られます。
例:紅茶やフレーバーティーの製造
伝統的な緑茶だけでなく、紅茶やほうじ茶、ハーブとブレンドしたオリジナルティーを製造することで、新しい顧客層を獲得しています。
かつては市場や卸に出荷するのが主流だった茶農家も、近年では「6次産業化」により、自らブランドを立ち上げ、加工・販売まで行う例が増えています。
オンライン販売の充実
SNSを活用して全国の消費者とつながり、自社ECサイトや通販プラットフォームを通じてダイレクトに販売。
サブスクリプション形式の導入
月替りでお茶を届ける「定期便」は、顧客との継続的な関係を生み、収益の安定にもつながります。
茶畑の美しさや茶作り体験を活かし、観光や教育の分野へ進出する動きもあります。
グリーンツーリズムの受け入れ
茶摘み体験や手揉み体験、テラスカフェの併設など、訪れる人に「体験」と「物語」を提供する農園が増えています。
外国人観光客向けツアー
海外からの観光客にとって、日本茶文化は魅力的な体験価値。英語対応や農家民泊との連携も進んでいます。
お茶農家の多様化は、地域の福祉や教育、環境保全とも連動しています。
障がい者の就労支援との連携
茶摘みや袋詰め作業などを通じ、地域福祉との協働が行われています。
里山保全活動としての茶栽培
茶畑の維持は、斜面崩壊の防止や生物多様性の確保にも貢献しており、環境保全型農業としての意義も見直されています。
「お茶農家の多様化」とは、単に副業を持つことではありません。それは、自分たちの土地、文化、技術を多角的に活かし、変化に対応する柔軟な姿勢の表れです。お茶はもはや飲み物だけではなく、人を集め、体験を提供し、地域と未来をつなぐ存在になりつつあります。
お茶農家が生み出すのは、「一杯のお茶」だけではなく、「新しい暮らしのかたち」なのです。
皆さんこんにちは!
有限会社お茶の山佐園の更新担当の中西です!
山佐園の茶話~part16~
ということで、茶畑の香りが持つ意味、農家にとっての精神的価値、そして暮らしへの影響について、静かに深く掘り下げます。
お茶の味や色は語られても、「香り」に焦点を当てた話は意外に少ないかもしれません。しかし、お茶農家にとって最も五感に訴えるのは、茶畑を吹き抜ける風の香りかもしれません。それは単なる植物の匂いではなく、**季節・時間・生命の営みを内包した“香りの風景”**なのです。
お茶の葉は、**揮発性香気成分(テアニン、メチル化合物など)**を多く含んでいます。とくに新芽の出る春先、朝露とともに茶畑を歩くと、青くて甘く、そしてどこか清々しい香りが鼻を満たします。
朝日が差し込む瞬間、しっとりと立ち上がる“若葉の香”
摘み取り直前の新芽から漂う“緑の密”のような香気
これらは、天気・風・葉の状態によって毎日異なり、まさに**「一期一会の香り」**として農家の心を包み込みます。
農家は、香りから茶葉の状態を直感的に読み取ります。
「今日はちょっと湿気が強くて葉が重いな」
「この畝の品種は、雨上がりが特に芳しい」
経験を積んだ農家ほど、視覚よりも嗅覚で変化を感じ取ると言われます。**香りこそが、茶の“生きている証”**なのです。
茶畑の香りは、農作業の合間にふっと心を和らげてくれる存在です。朝露の時間帯、摘採のあとの夕暮れ時、ふとした瞬間に漂う香りが、自然と一体になっている感覚をもたらします。
季節の変化に敏感になれる
無心になって作業に没頭できる
心が乱れていても、香りに触れるとスッと整う
香りは、**お茶農家にとっての“天然のセラピー”**なのです。
この茶畑の香りを、単なる「農業の副産物」ではなく、暮らしの中の価値として位置づけ直す動きも出ています。
茶葉を焙煎する香りを活かした観光農園や茶室体験
フレグランス商品やアロマオイルへの応用
精神衛生に効果がある“緑茶香気療法”の研究
香りは、日本文化の“感性”としての茶業を象徴する要素としても期待されています。
茶畑の香りは、風の中に溶け込んだ自然からのメッセージであり、農家が日々受け取る“見えないご褒美”です。それは、働く人の心を癒し、文化としての誇りを呼び覚まし、やがて消費者の食卓へと香りごと届けられます。
お茶は、味だけではなく、「香り」をもって人の心に寄り添うもの。ぜひ、次にお茶を飲むときには、その香りに、育った畑の風景と農家の想いを重ねてみてください。
皆さんこんにちは!
有限会社お茶の山佐園の更新担当の中西です!
山佐園の茶話~part15~
ということで、お茶農家を取り巻く課題と、その根底にある社会構造の変化を掘り下げながら、今後の可能性についても展望します。
日本のお茶文化は千年以上の歴史を持ち、精神性や暮らしと深く結びついてきました。しかし現代社会の変化の中で、お茶農家は多くの試練に直面しています。
目次
多くの茶農家では、現在も70代以上の高齢者が中心となって茶園を維持しています。次世代への事業継承が困難で、「継ぐ人がいない」という声が全国の産地で聞かれています。
若年層にとって農業は「収益が見えづらく魅力に乏しい」産業と見られがち
都市部への人口流出と農村部の過疎化により、地域全体の担い手が減少
結果として、放棄茶園の増加や、ブランドの維持が困難になる地域も出てきています。
かつては家庭で急須を使ってお茶を淹れる習慣がありましたが、今ではペットボトル茶が主流となり、急須文化は大きく後退しています。
若者世代を中心に「お茶=健康的だが地味」とされる傾向
インスタント飲料やコーヒー、エナジードリンクへの嗜好移行
これにより、高品質な一番茶や手摘み茶の需要が減り、手間をかけた製品ほど売れにくいという矛盾が生じています。
温暖化や気象の不安定さは、繊細な新芽を育てるお茶農家にとって致命的な影響を与えます。
霜による芽の焼けや、異常高温による収量低下
長雨や湿度の上昇による病害虫の増加
こうした自然リスクが、品質安定と生産コストの両立を難しくしており、経営を圧迫しています。
海外の安価なお茶との価格競争も激しくなっており、日本国内の茶葉はコスト面で不利です。
大量生産される外国産の緑茶や抹茶粉末が安価で流通
「価格では勝てない」という現実が、経営の圧力に
その中でも差別化を図るため、高級品路線・機能性表示・輸出戦略などが模索されていますが、体力のある農家に限られる場合も少なくありません。
お茶の収穫や製茶作業は、かつては地域の季節行事やコミュニティ活動の一部でもありました。今では機械化や家族経営の縮小により、地域の連帯感や文化的価値の継承も薄れています。
「お茶を飲む」こと自体が、日常から遠ざかり、特別なものになってしまったのです。
お茶農家にとって最大の課題は、「農業としての収益性の確保」と「文化価値の伝承」の両立です。
若手就農支援や体験型ツーリズムによる担い手確保
地産地消・直販モデルによる利益構造の再構築
海外市場向けに抹茶や健康機能性を打ち出した戦略
茶のある暮らしを再び広める文化発信
これらの取り組みが、次世代へと茶業を引き継ぐ希望の芽となるでしょう。
皆さんこんにちは!
有限会社お茶の山佐園の更新担当の中西です!
山佐園の茶話~part14~
ということで、茶樹の育成において特に注意すべきポイントや手入れの方法を、時期別・目的別に深掘りしてご紹介します。
お茶の品質は、自然条件と栽培技術の融合で決まります。中でも、農家の“気づき”と“手入れ”の積み重ねが、香り・色・味を引き出す鍵です。
目次
霜害防止:春の遅霜対策に防霜ファンや散水を活用
追肥のタイミング:芽出し肥は3月中旬~下旬に施す
芽の揃いを見る目:ばらつきがあれば整枝調整も検討
🌱 新芽の品質は「春にいかに守り育てたか」で決まります。
冬剪定(1月〜2月):強剪定で新芽更新を促進
夏剪定(7月〜8月):光合成効率向上・病害予防
浅刈りと深刈りの使い分け:年ごとに交互施行が理想
✂️ 樹形の乱れは収穫効率にも直結するため、計画的に管理。
春前の基肥(1~2月):芽出しの力をつける
追肥(4月~5月):一番茶後の樹勢回復
秋肥・冬肥(9~11月):来年の芽と根を育てる基盤
🍂 肥料の与え方一つで、葉の厚み・香り・苦渋味が変わります。
定期観察と発生傾向の記録
薬剤ローテーションによる耐性対策
防除カレンダーの活用(地域JA配布の防除表も参考)
🔍 葉の裏・新芽の先を毎日見る習慣が、不作を防ぎます。
かぶせ茶:摘採の10〜14日前から被覆
玉露:3週間以上の被覆が標準
黒い寒冷紗やワラを使って光合成を制限しテアニンを増やす
☂️ 被覆資材の管理(耐久性・透光率)も品質管理の一部です。
機械除草と人手による根切りの併用
梅雨・夏場の排水対策(高畝や側溝の整備)
💧 根にストレスをかけないための環境整備が健康な茶葉を育てます。
お茶農家の仕事は、一見同じ作業の繰り返しに見えて、毎日違う“茶の表情”を見分ける観察力と判断力が求められます。剪定、施肥、防除、被覆――これらすべてが“手をかけたお茶”の味わいにつながります。
“気づける農家”が、“選ばれるお茶”をつくるのです。
皆さんこんにちは!
有限会社お茶の山佐園の更新担当の中西です!
山佐園の茶話~part13~
お茶の栽培は、茶種ごとに異なる管理が求められます。特に煎茶、玉露、かぶせ茶、番茶などは、栽培方法や収穫時期、施肥・防除のタイミングが異なるため、年間を通じた計画的な管理が必要です。
目次
剪定・整枝:樹形を整え、新芽の発芽を促進します。
施肥:基肥を施し、春の新芽に備えます。
病害虫防除:越冬害虫の駆除を行います。
被覆資材の準備:被覆栽培に必要な資材の点検・準備を行います。
芽出し管理:新芽の生育状況を確認し、必要に応じて追肥を行います。
防霜対策:遅霜による被害を防ぐため、防霜ファンの設置や散水を行います。
被覆開始:新芽の生育に合わせて、被覆を開始します。お茶百科
一番茶の摘採:新芽を収穫し、品質の高い茶葉を確保します。
加工:摘採した茶葉を速やかに加工し、品質を保持します。農林水産省
被覆解除:収穫後、被覆を解除し、茶樹の光合成を促進します。
二番茶の摘採:新芽の生育状況を確認し、適切なタイミングで収穫します。
施肥:収穫後の茶樹の回復を促すため、追肥を行います。
病害虫防除:高温多湿な時期に発生しやすい病害虫の防除を徹底します。農林水産省
整枝:茶樹の樹形を整え、翌年の新芽の発芽を促進します。
施肥:秋肥を施し、茶樹の栄養状態を整えます。
土壌改良:堆肥や石灰を施し、土壌のpHや肥沃度を調整します。
施肥:冬肥を施し、茶樹の栄養状態を維持します。
病害虫防除:越冬害虫の駆除を行います。
資材の点検・整備:農機具や被覆資材の点検・整備を行い、翌年の作業に備えます。
お茶の栽培は、茶種ごとに異なる管理が求められます。特に玉露やかぶせ茶などの高級茶は、被覆栽培や施肥、防除のタイミングが品質に大きく影響します。また、煎茶や番茶も、収穫時期や整枝、施肥のタイミングを適切に管理することで、品質の向上と安定供給が可能となります。年間を通じた計画的な管理を行い、茶種ごとの特性を最大限に活かすことが、品質の高いお茶を生産するための鍵となります。
皆さんこんにちは!
有限会社お茶の山佐園の更新担当の中西です!
山佐園の茶話~part12~
ということで、お茶農家が行う茶畑育成の一年と技術について、初心者にも分かりやすく、かつ専門性を持って深く解説します。
日本茶の味と香り、その背後には「茶畑」という舞台があり、そしてそれを支えるお茶農家の緻密な育成作業があります。
一芯二葉(いっしんによう)この言葉は、最も美味しい新芽の摘み方を示す茶業の専門用語であり、お茶づくりの象徴とも言える言葉です。
茶畑の管理は、一年を通じて行う“総合技術”です。単に苗を植え、収穫するだけではなく、土壌、気候、病害虫、光、風――あらゆる自然の要素を読み解き、共に歩む農業。
目次
お茶は水はけが良く、酸性土壌を好む作物。標高や日照、傾斜の条件も茶園づくりに影響します。
理想pH:4.5~5.5
標高:200〜600mが香りの良い茶を作る傾向
傾斜地は寒暖差が大きく、旨味成分(テアニン)を高めやすい
茶畑は「棚式」「畝立て式」「平坦地式」など地形に応じた方式で造成されます。
日本には100種以上の茶品種がありますが、代表的なのは以下の通り
品種 | 特徴 |
---|---|
やぶきた | 全国の約7割、バランス型 |
さえみどり | 鮮やかな緑、旨味が強く高級茶向け |
あさつゆ | 玉露風のまろやかさ、被覆栽培に最適 |
→ 土地の気候、収穫時期の分散、加工目的によって複数品種を組み合わせるのが一般的です。
茶畑管理は、1年中休むことのない仕事です。
深刈り・中刈り・浅刈り:樹高を調整し、新芽の発育を整える
病気や害虫の越冬を防ぐための除草と掃除
土壌改良(苦土石灰、堆肥、緑肥のすき込み)
根に働きかける基肥(元肥)の投入
茶の木のエネルギーを蓄えるための寒肥
雪や霜の被害を防ぐための風よけネットの設置も
萌芽(ほうが)開始を確認し、被覆栽培(かぶせ茶)など品質向上技術を施す
害虫対策(チャノキイロアザミウマ、チャノホコリダニ)
一芯二葉の若芽を手摘み or 機械摘み
2番茶の収穫(1番茶より品質は下がるが量産型)
高温多湿での病気(炭そ病、赤焼病)対策
雑草管理と枝葉の切り戻し(通気性と採光確保)
お茶は、他作物よりも窒素要求量が高く、これが旨味や香りに直結します。
タイプ | 目的 | 備考 |
---|---|---|
基肥(元肥) | 春先の萌芽を支える | 有機+化成の併用が多い |
追肥 | 生育の途中で施す | 被覆栽培時には特に重要 |
寒肥 | 冬に根を育てる | 骨粉や油かす、堆肥が中心 |
pH・EC値・窒素、リン酸、カリウムなどのバランスを年1回以上分析
足りない成分だけを的確に補う「精密施肥」
チャノホコリダニ:新芽を変形させる
チャノキイロアザミウマ:若葉の表面を食害
赤焼病・炭そ病:葉が茶色く枯れる
→ 生物農薬・BT剤・フェロモントラップ・天敵利用など、減農薬型のIPM(総合防除)が注目されています。
遅霜:新芽の全滅リスク(送風機や防霜ファンを使用)
台風:棚式茶園の倒壊対策が必須
高温障害:夏場の根焼けや日焼けを防ぐ「マルチ被覆」
土壌水分センサー+スマホ連携 → 水管理の省力化
ドローンによる空撮モニタリング → 病害の早期発見
茶葉生育AI診断 → 摘採タイミングの見極め
また、スマートファーム化により、高齢農家の負担軽減や若手参入の促進も期待されています。
お茶農家による茶畑育成は、
技術(栽培管理)
× 感性(季節の読みと自然との対話)
× 継承(地域の文化と知恵)
この三位一体で成り立っています。
特に気候変動や市場変化が激しい今、土づくりと丁寧な育成こそが、茶の品質と農家の持続可能性を支える基盤です。
皆さんこんにちは!
有限会社お茶の山佐園の更新担当の中西です!
山佐園の茶話~part11~
ということで、その実態と背景、今後に向けた課題と希望の兆しを、深く探っていきます。
「日本の風景」と聞いて思い浮かぶもののひとつ、茶畑の広がる景色。しかし今、その美しい風景が徐々に失われつつあります。
お茶農家の人手不足と茶畑の荒廃化は、静かに、しかし確実に進行している地域課題です。
かつて日本の各地で栽培され、文化・嗜好・経済を支えてきた「お茶」は、今まさに存続の危機に直面しています。
目次
農林水産省の統計によれば、日本国内の茶生産農家のうち、65歳以上の割合は6割以上。若い後継者が不足し、廃業する茶農家が年々増加しています。
年 | 茶農家数 | 備考 |
---|---|---|
1990年 | 約9万戸 | ピーク時 |
2020年 | 約1万5千戸 | 約85%減少 |
中山間地域や過疎地に多い茶農家では、「人を雇う余裕がない」「機械化が進まない」などの理由で、人手の確保が非常に困難な状況です。
管理ができなくなった茶畑は、雑草や灌木に覆われ、次第に原野へと戻っていきます。こうした放棄茶園の面積は、静岡・鹿児島・京都など主要産地でも拡大中です。
特に問題となるのが以下の点
周辺農園への害虫・病気の拡散リスク
美観の低下と観光資源の劣化
地滑りなどの防災リスク増加
土地としての価値の下落
茶畑は“常緑樹の畑”という特殊な農地であり、他の作物への転用も難しいため、再利用されず荒れ地になるケースが多いのが現状です。
ペットボトル飲料の普及
ラテやコーヒー文化の浸透
急須でお茶を淹れる文化の希薄化
結果として、家庭用茶葉の需要が大幅に減少し、茶の市場価格は長年にわたり低迷。
例:1kgあたりの茶葉卸価格が、10年で約30〜50%下落という産地も存在します。
茶葉の収穫ロボット(AI搭載)
ドローンによる生育・病害モニタリング
作業記録のデジタル管理(茶園台帳アプリ)
導入コストやITスキルの壁はあるものの、高齢農家でも扱いやすい機器の開発が進められています。
地元中高生やボランティアによる収穫体験
NPOと連携した「放棄茶園再生プロジェクト」
地域おこし協力隊・都市部からの移住支援制度の活用
成功事例
静岡県川根町では、荒廃茶園を若手農家と学生が共同再生し、新ブランド「川根未来茶」を立ち上げ
「玉露」「抹茶」「有機茶」など付加価値をつけた製品開発
農家自らが加工・販売・カフェ運営まで担う例も
SNS・ネット通販を活用したダイレクトマーケティング
お茶農家の問題は、生産者だけでは解決できません。私たち消費者一人ひとりの選択が、茶産地の未来に直結します。
✅ できること
急須でお茶を淹れてみる
地元産やオーガニック茶を選ぶ
茶農家直送のネットショップを応援する
茶摘みイベントに参加して現場の声を知る
日本の茶畑は、ただの農地ではありません。それは 日本文化・地域の誇り・人の手で紡がれた伝統の象徴です。
しかし、その風景がいま、音もなく崩れはじめています。
この問題は、農業の構造変化、高齢化、消費文化の変化という、社会全体の縮図でもあります。
だからこそ
お茶農家と私たち消費者、行政、地域が一体となって支え合い、次の世代へと継承していくことが必要不可欠です。