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皆さんこんにちは!
有限会社お茶の山佐園の更新担当の中西です!
山佐園の茶話~part19~
お茶は“畑の香り”をそのまま飲み物にしたもの。だからこそ、畑→摘採→製茶→仕上げの全部で香りが育ちます。この記事では、農家の一年を月ごとの段取りでたどりながら、現場で効くコツをまとめました。️
目次
整枝・剪定:翌春の芽数と摘みやすさを決める大事な工程。畝ごとに“高さ基準”を写真で固定
施肥(基肥):ゆっくり効くものを中心に。施肥量は前年収量・葉色・土壌データで見直し。
排水路・風対策:豪雨と強風は“香りの敵”。溝さらい、支柱、畝肩の補修を冬のうちに。
土壌チェック:pH・EC・有機物。お茶は酸性寄りが得意。データはロット名で保存
防霜ファン/散水/不織布の準備✅
萌芽確認:畝ごとに発芽ステージを見まわり、被覆(かぶせ)開始の合図に。
かぶせ茶/玉露の被覆:遮光で旨味(アミノ酸系)が育つ。
かぶせ茶:目安1〜3週間
玉露:目安3週間以上
被覆開始・終了日は必ず記録
摘採適期:基本は一心二葉〜三葉。**雨後は含水率↑**なので無理をしない。
生葉の扱い:圃場から速やかに工場へ。搬入票に時間・畝・被覆有無を記録。
製茶フロー(荒茶):
蒸し(浅蒸し/深蒸し)→ 2) 粗揉 → 3) 揉捻 → 4) 中揉 → 5) 精揉 → 6) 乾燥
深蒸しは粉化しやすい分、抽出は短めを想定。
歩留まりの目安:生葉4〜5kg → 荒茶1kg。受入ロットごとに記録し、畝別の改善に。
官能チェック:立ち香・滋味・後口。**“香りノート”**を作ると翌年が楽に
二番茶:品質重視なら刈遅れ回避。一番茶後のお礼肥で樹を休ませつつ回復。
病害虫の見回り:チャノコカクモンハマキ・ハダニ・カイガラムシなどは畝端・日当たり端から出やすい。
IPM(総合防除):被害葉の早期除去・捕殺・草生管理で圃場のバランスを保つ。
草管理:足元の通風と作業性が香りを守る。猛暑時は早朝・夕方作業で安全第一
仕上げ:荒茶の選別・整形で外観を整える。
合組(ブレンド):畝・時期違いを組み合わせ、香味の再現性を作る職人仕事。
火入れ:低温〜中温で水分・香りのチューニング。焙香は行き過ぎ注意、メモと小試験で詰める。
保存:遮光・低温・低湿・脱酸素。開封後は小分けが鉄則
収量(kg/10a)・荒茶歩留まり(%)
水分・葉温・被覆日数・摘採日
官能点(香・旨・渋・後口)
クレーム/返品ゼロ日数・EC/店頭のリピート率
→ 畝×時期×被覆で並べると改善点が見える
摘採が遅れて渋味増 → 畝別カレンダー+“試し摘み”で前倒し。
深蒸しで粉っぽい → 造粒の工夫/ふるい直し+抽出推奨レシピを同梱。
火入れムラ → 小ロット試験→官能記録→温度再設定。一度に結論を出さない。